東京高等裁判所 昭和53年(ラ)1250号 決定 1978年12月21日
抗告人 田代敏治
主文
本件抗告を却下する。
理由
抗告人の抗告の趣旨及び理由は別紙のとおりである。
記録によると、東京家庭裁判所家事審判官は、本件調停事件について、当事者が不当な目的でみだりに調停の申立をし、かつ、事件の性質上調停をするのに適当でないとして、家事審判規則一三八条により、調停をしない旨の措置をしたことが認められる。
家庭裁判所の調停委員会または単独で調停を行う家事審判官(家事審判法三条二項但書)が、家事審判規則一三八条に基づき調停をしないとして事件を終了させた場合その措置は調停機関として終局処理をしたのにすぎず、裁判の性質を有するものではないから、それは不服申立の対象となる裁判に該当せず、家事審判法及び同規則にも右措置に対し不服申立を許す規定は存在しない。
したがつて、前記原審家事審判官がした本件につき調停をしない旨の措置に対しては即時抗告を許されず、本件抗告はその理由について判断するまでもなく不適法として却下を免れないので、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 杉本良吉 裁判官 高木積夫 清野寛甫)
抗告理由書<省略>